疲れにくい身体をつくるには?体幹・姿勢・運動から考える身体づくり
こんにちは。名古屋市名東区にある体幹専門パーソナルジムジェイトコアフィットジムの北村です。
今回は体幹トレーナーの視点から、腰痛と体幹トレーニングについて、研究やガイドラインをもとに分かりやすく解説します。
「腰痛があるから腹筋を鍛えた方がいい」「体幹が弱いから腰が痛くなる」このような話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
腰痛は、アスリートだけでなく一般の方にとっても非常に身近な身体の悩みです。そのため、腰痛予防として「体幹トレーニング」が紹介されることも多くあります。
しかし、腰痛はそれほど単純なものではありません。筋力だけでなく、身体活動量、仕事や生活環境、睡眠、ストレス、心理社会的な要因など、さまざまな要素が関係することが分かってきています。
だからこそ、腰痛予防では「腹筋だけを鍛える」のではなく、身体全体を見ながら運動を考えることが大切です。
腰痛予防・慢性腰痛には「運動」が重要

腰が痛くなると、「動かさない方がいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
もちろん、強い痛みがある場合や病気・外傷などが原因の場合には、無理に運動するべきではありません。
一方で、長期間続く慢性腰痛については、適切な運動を取り入れることの重要性が多くの研究で示されています。
WHOが2023年に公表した慢性一次性腰痛のガイドラインでも、成人の慢性腰痛に対して「構造化された運動療法・運動プログラム」を治療の一部として取り入れることが推奨されています。
また、慢性腰痛に対する運動療法を調べた大規模なレビューでも、運動を行わない場合などと比較して、運動療法による痛みの改善が報告されています。
さらに、一度腰痛を経験した人については、腰痛が落ち着いた後も運動を継続することで再発を減らせる可能性が示されています。
つまり、「腰痛になったら安静にしていればいい」という考え方だけではなく、「状態に合わせて身体を動かす」という考え方も非常に重要なのです。
ただし、ここで注意したいのが「何の運動をするか」です。腹筋運動だけをひたすら行えばいい、という話ではありません。
腰痛予防にオススメのストレッチの正しいやり方を覚えると、とても効果的です。

腰痛と「体幹」はどのように関係する?
では、なぜ腰痛対策として「体幹」がよく取り上げられるのでしょうか。
体幹は、身体の中心部分に位置し、手足を動かす際に身体を支えたり、背骨や骨盤の動きをコントロールしたりする役割を担っています。その中でもよく知られているのが、腹横筋(ふくおうきん)そして、多裂筋(たれつきん)などです。

・腹横筋は腹部の比較的深い位置にあり、お腹をコルセットのように取り囲んでいます。
・多裂筋は背骨の近くに位置し、脊柱の細かなコントロールに関係する筋肉です。
腰痛のある人を対象とした研究では、こうした体幹筋の活動パターンや筋の形態などに違いがみられることがあります。そのため、「体幹の深い筋肉を適切に使えるようにする」という考え方から、モーターコントロールエクササイズや体幹安定化トレーニングなどが腰痛への運動療法として用いられてきました。
ただし、ここで大切なことがあります。「腹横筋や多裂筋が弱いから腰痛になった」と単純に考えることはできません。
腰痛のある人に体幹筋の変化がみられたとしても、それが腰痛の原因なのか、腰痛が続いた結果として生じた変化なのかを単純に区別できない場合があります。
ですから、「腹横筋を鍛えれば腰痛が治る」、「多裂筋を鍛えれば腰痛にならない」と断言するのは適切ではありません。
体幹トレーニングは、腰痛に対する運動の一つの選択肢として考えることが大切です。
腹筋だけではない!股関節や全身の動きも考えよう
腰痛があると、どうしても「腰」だけに目が向いてしまいます。しかし、人間の身体は腰だけで動いているわけではありません。歩く。しゃがむ。立ち上がる。物を持ち上げる。身体をひねる。

こうした日常動作では、体幹だけでなく股関節、膝、足首、胸郭、肩など、さまざまな部位が連動しています。
例えば、物を床から持ち上げる動作を考えてみましょう。股関節や膝を使ってしゃがむことができれば、下半身も使いながら動作を行えます。一方で、身体の使い方によっては腰部に負担が集中しやすくなることがあります。
だからこそ腰痛対策では、「腰の筋肉を強くする」だけではなく、「身体全体をどのように使っているのか」を見ることが大切です。
股関節の可動性や筋力も、その一要素です。ただし、「股関節が硬いから腰痛になる」と一方向の原因として決めつけることもできません。
重要なのは、身体の一部分だけを見るのではなく、体幹・股関節・下肢・胸郭などを含めて、全身の動きを考えること。これが腰痛対策において非常に重要な考え方です。
腰痛にはどんな体幹トレーニングがいい?
「それでは結局、どんなトレーニングをすればいいの?」と思うかもしれません。腰痛に対して行われている運動には、さまざまな種類があります。
例えば、
・体幹の安定化トレーニング
・モーターコントロールエクササイズ
・筋力トレーニング
・有酸素運動
・ストレッチや柔軟性運動
・ピラティス
・ヨガ
・複数の運動を組み合わせたプログラム など
WHOのガイドラインでも、筋力トレーニング、ストレッチ、有酸素運動、コアトレーニング、モーターコントロールエクササイズなど、さまざまな運動が検討されています。
そして非常に重要なのが、現時点では「この運動方法が絶対に一番優れている」と言えるほどの根拠はないということです。
つまり、「腰痛にはプランクをすればいい」「ドローインだけやればいい」という単純な話ではありません。
実際のトレーニングでは、まず呼吸しながら身体を支える練習から始める人もいれば、バードドッグ、ヒップリフト、スクワットなど、手足を動かしながら体幹をコントロールする運動へ進む人もいます。ウォーキングなどの有酸素運動が適している人もいます。
重要なのは、その人の体力・痛み・生活・身体の使い方に合わせて運動を選ぶことです。
難しい体幹トレーニングを行うことよりも、「安全にできる」「継続できる」「少しずつ身体を動かせる」ということの方が大切な場合もあります。
私のインスタグラムでも、体幹に関するトレーニングを紹介していますので、参考にしてみてください。
大切なのは「強い体幹」より「使える身体」

腰痛予防というと、「腹筋を強くしよう」「体幹をガチガチに固めよう」と思ってしまうかもしれません。
しかし、日常生活では身体を固めたまま生活しているわけではありません。歩くときには腕と脚が動きます。物を取るときには身体を曲げたり伸ばしたりします。振り返るときには身体を回旋させます。
つまり、私たちに必要なのは単純な「強さ」だけではありません。動きに合わせて身体を支えられること。そして、
体幹を安定させながら、股関節や手足をスムーズに動かせること。こうした身体のコントロールも大切です。
そのため、腰痛予防を考えるときには、「腹筋を何回できるか?」だけではなく、「呼吸を止めずに身体を支えられるか?」「しゃがむときに股関節や脚を使えているか?」「歩いたときに身体が必要以上に力んでいないか?」など、実際の動作にも目を向けてみましょう。
腰痛は一つの原因だけで起こるものではありません。だからこそ、万能な一つのトレーニングを探すのではなく、自分の身体の状態に合わせて必要な運動を継続することが重要です。
体幹を鍛えること自体が目的なのではありません。体幹を含めた身体全体をうまく使い、「長く健康に動ける身体をつくること」これが腰痛予防を考えるうえでも大切な目標ではないでしょうか。
※腰痛の原因はさまざまです。強い痛みが続く場合、脚の強いしびれや筋力低下、発熱、外傷後の腰痛、排尿・排便の異常などがある場合は、運動を自己判断で続けず、医療機関へ相談してください。
最後に
体幹の重要性を理解し、いかに効率よく身体を使えるのかで、腰痛予防に繋がり疲れにくい身体が手に入ります。
ただ、「どんなトレーニングをしたらいいのかわからない」という方は、まずは近くのトレーナーさんに相談してみることをお勧めします。
また「ジェイトコアフィットジム」では、体幹トレーニングを専門的に指導しており、その人にあったプログラムを提供しておりますので、お気軽に無料体験を試してみてください。

