子どもになぜ体幹が必要?成長を支える5つの役割と家庭でできる運動遊び
こんにちは。体幹トレーニング専門ジェイトコアフィットジムトレーナーの北村です。
私は、近隣の幼稚園2園に出向し、遊びを通して体幹筋力を身に付ける運動教室も開講しています。
今回は、その活動を通して感じ、伝えている「子どもの体幹が担う役割」を5つに分けて解説します。
「座っていると、すぐに姿勢が崩れる」「走ると身体が大きく揺れる」。そんなお子さんの様子を見て、「体幹を鍛えたほうがいいのかな?」と感じる保護者の方もいるのではないでしょうか。
体幹は、身体を支え、手足と協調して動くために大切な部分です。ただし、子どもの動きや姿勢は、体幹の筋力だけで決まるものではありません。
子どもの「体幹づくり」とは?
体幹とは、頭と手足を除いた胴体の部分を指します。お腹だけでなく、背中などの筋肉が働き、骨盤周囲や手足の動きとも協調して身体を支えています。
子どもの体幹づくりで大切にしたいのは、動きに合わせて身体の中心を支え、必要に応じて動かしたり、姿勢を立て直したりする経験です。
プランクを長く続けられることだけが目標ではありません。走る、跳ぶ、這う、転がる、投げるといった遊びの中でも、体幹を使う経験を積めます。文部科学省の「幼児期運動指針」でも、遊びを通して多様な動きを経験することが重視されています。引用元:幼児期運動指針
体幹が育つことで期待できる5つのこと
ここで紹介するのは、体幹の役割と、全身を使う運動を通じて育てたい力です。体幹トレーニングだけで、すべての効果が得られると確認されているわけではありません。
① 姿勢を支え、動きに合わせて調整する土台になる

立つ、座る、歩くときには、お腹や背中などの筋肉が協調して働いています。体幹は、こうした姿勢や動作を支える役割を担います。
目指したいのは、いつも背筋を伸ばして身体を固めることではなく、手を伸ばしたり、向きを変えたりしても、その動きに合わせて姿勢を調整できることです。
ただし、座る姿勢が崩れる理由には、椅子や机の高さ、疲れ、活動への関心なども関係します。見た目だけで「体幹が弱い」と決めつけず、足が床や足台につくか、同じ姿勢が長く続いていないかも見てみましょう。
② バランスを崩したときに立て直す動きに関わる

子どもに必要なバランスは、片脚でじっと立つ力だけではありません。鬼ごっこで急に止まる、ジャンプから着地する、ボールを蹴ったあとに身体を支える場面でも必要です。
その際は、体幹とともに、足首や股関節の動き、目から入る情報などを使って姿勢を調整します。体幹は、全身でバランスを取る仕組みの一部と考えると分かりやすいでしょう。
学校で行う複合的な神経筋トレーニングのレビューでは、姿勢をコントロールする能力の改善が報告されています。ただし、体幹だけを鍛えた結果ではなく、研究数や研究方法にも限界があります。
引用元:学校を拠点とした神経筋トレーニングが、子どもの基本的な運動能力と体力に及ぼす影響
「絶対に転ばない身体」を目指すより、いろいろな動きの中で身体を支え直す経験を増やすことが大切です。
③ 「走る・跳ぶ・投げる」などの基本動作を支える
走る、跳ぶ、投げる、捕る、蹴るといった動きは、遊びやスポーツにつながる基本的な運動技能です。
例えばボールを投げるときは、足で身体を支え、骨盤や胴体を回し、腕を動かします。体幹は、こうした全身の動きに関わっています。
幼児を対象とした38研究の解析では、運動プログラムによる基本的運動技能の改善が報告されています。一方で、研究結果のばらつきは大きく、証拠の確かさは低〜中程度とされています。これは運動プログラム全体についての結果であり、「体幹を鍛えれば走る・投げる能力が必ず伸びる」という意味ではありません。
引用元:幼児期における身体活動介入が基本的な運動能力と認知機能に及ぼす影響:系統的レビューとネットワークメタ分析
体幹を使う遊びに加えて、走ることやボールを投げること自体も経験していきましょう。
④ 手足をタイミングよく使う、全身の協調につながる
サッカーでボールを蹴る、縄跳びをする、ラケットを振る。どの動きでも、身体の複数の部分をタイミングよく使っています。
ここでいう「連動性」とは、手足や体幹が動作に合わせて協調することです。体幹には姿勢を支える役割と、回転するなどして動作に参加する役割があります。
先ほどの学校での研究でも、複数の運動要素を組み合わせたプログラムによる、基本的運動技能や筋力の改善が検討されています。
引用元:学校を拠点とした神経筋トレーニングが、子どもの基本的な運動能力と体力に及ぼす影響:系統的レビュー
子どもの運動では、筋力の強さとともに「どのように身体を使うか」も大切です。ボール遊びや障害物遊びなど、動き方を変える経験を取り入れてみましょう。
⑤ 「できた」「楽しい」を重ねる土台になる
線の上を歩けた、両脚で着地できた、ボールを受け取れた。こうした小さな達成は、次の遊びに挑戦するきっかけになります。
体幹を含めて身体を使う経験を増やすことは、運動を楽しむ場面づくりにもつながります。ただし、体幹の筋力が高まるだけで、自信や運動習慣が自然に身につくわけではありません。
大人が難しさを調整し、挑戦したことや工夫したことを認める関わりも大切です。文部科学省の指針でも、子ども自身が身体を動かす楽しさを感じ、自発的に遊ぶことが重視されています。
引用元:幼児期運動指針
ほかの子と比べるより、「さっきより安定していたね」「もう一回やってみたんだね」と、その子自身の変化や挑戦に目を向けてみましょう。
家庭でできる、体幹を使う運動遊び
特別な器具がなくても、身体を支えたり、向きを変えたりする遊びを取り入れられます。以下は多様な動きを経験するための例であり、それぞれの遊び単独で効果を保証するものではありません。
四つ這いで進む「動物歩き」
手と足を床につき、ゆっくり前へ進みます。「犬になって歩こう」など、まね遊びにすると取り組みやすくなります。速さを競うより、手足で身体を支えながら移動することを楽しみましょう。
床の線を使った「一本道歩き」
床の線や、床にテープを貼ってその線に沿って歩きます。慣れたら横向きに進むなど、動き方を変えてみましょう。高い場所に乗らなくても、バランスを調整する遊びができます。
小さく跳んで止まる「着地遊び」
床の上で小さく両脚跳びをし、着地したらいったん止まります。高さや回数を競わず、無理なく止まれる範囲で行いましょう。難しくしたい場合は両脚で跳び、片脚で着地することにチャレンジしてみてください。
やわらかいボールで「転がす・投げる・受ける」
向かい合ってボールを転がしたり、近い距離で軽く投げ合ったりします。距離やボールの大きさを調整し、成功しやすいところから始めましょう。片脚立ちで投げたりすることで、手足と体幹を合わせて動かす経験になります。
子どもの体幹づくりで大切にしたいこと
年齢や発達、興味に合わせて、楽しめる難しさにすることが基本です。長く同じ姿勢を保つ課題に偏らず、さまざまな動きを組み合わせましょう。
周囲の物を片づけ、滑りにくい場所で、大人が見守れる範囲で行います。疲れたり、痛がったり、嫌がったりしたときは無理に実施しないでください。
まとめ|体幹は、遊びの中で全身と一緒に育てよう
体幹は、姿勢を支える、バランスを調整する、基本動作や全身の協調に関わるなど、子どもの動きを支える大切な役割を担います。身体を使う遊びは、「できた」「楽しい」を重ねる機会にもなります。
ただし、子どもの運動能力は体幹だけで決まるものではありません。走る・跳ぶ・這う・投げるなど、いろいろな動きを楽しむことを大切にしましょう。
まずは、お子さんが「やってみたい」と思う遊びを一つ。できる・できないだけで評価せず、挑戦する時間を一緒に楽しんでみてください。
「ジェイトコアフィットジム」では、子供(アスリート含む)を対象とした体幹トレーニングも指導しておりますので、気になる方はお問合せ下さい。
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